2015年8月9日日曜日

8/9 ルツ記2、使徒の働き27、エレミヤ書37、詩篇10

ルツ記2
1 さてナオミには、夫エリメレクの一族で、非常に裕福なひとりの親戚があって、その名をボアズといった。
2 モアブの女ルツはナオミに言った、「どうぞ、わたしを畑に行かせてください。だれか親切な人が見当るならば、わたしはその方のあとについて落ち穂を拾います」。ナオミが彼女に「娘よ、行きなさい」と言ったので、
3 ルツは行って、刈る人たちのあとに従い、畑で落ち穂を拾ったが、彼女ははからずもエリメレクの一族であるボアズの畑の部分にきた。
4 その時ボアズは、ベツレヘムからきて、刈る者どもに言った、「主があなたがたと共におられますように」。彼らは答えた、「主があなたを祝福されますように」。
5 ボアズは刈る人たちを監督しているしもべに言った、「これはだれの娘ですか」。
6 刈る人たちを監督しているしもべは答えた、「あれはモアブの女で、モアブの地からナオミと一緒に帰ってきたのですが、
7 彼女は『どうぞ、わたしに、刈る人たちのあとについて、束のあいだで、落ち穂を拾い集めさせてください』と言いました。そして彼女は朝早くきて、今まで働いて、少しのあいだも休みませんでした」。
8 ボアズはルツに言った、「娘よ、お聞きなさい。ほかの畑に穂を拾いに行ってはいけません。またここを去ってはなりません。わたしのところで働く女たちを離れないで、ここにいなさい。
9 人々が刈りとっている畑に目をとめて、そのあとについて行きなさい。わたしは若者たちに命じて、あなたのじゃまをしないようにと、言っておいたではありませんか。あなたがかわく時には水がめのところへ行って、若者たちのくんだのを飲みなさい」。
10 彼女は地に伏して拝し、彼に言った、「どうしてあなたは、わたしのような外国人を顧みて、親切にしてくださるのですか」。
11 ボアズは答えて彼女に言った、「あなたの夫が死んでこのかた、あなたがしゅうとめにつくしたこと、また自分の父母と生れた国を離れて、かつて知らなかった民のところにきたことは皆わたしに聞えました。
12 どうぞ、主があなたのしたことに報いられるように。どうぞ、イスラエルの神、主、すなわちあなたがその翼の下に身を寄せようとしてきた主からじゅうぶんの報いを得られるように」。
13 彼女は言った、「わが主よ、まことにありがとうございます。わたしはあなたのはしためのひとりにも及ばないのに、あなたはこんなにわたしを慰め、はしためにねんごろに語られました」。
14 食事の時、ボアズは彼女に言った、「ここへきて、パンを食べ、あなたの食べる物を酢に浸しなさい」。彼女が刈る人々のかたわらにすわったので、ボアズは焼麦を彼女に与えた。彼女は飽きるほど食べて残した。
15 そして彼女がまた穂を拾おうと立ちあがったとき、ボアズは若者たちに命じて言った、「彼女には束の間でも穂を拾わせなさい。とがめてはならない。
16 また彼女のために束からわざと抜き落しておいて拾わせなさい。しかってはならない」。
17 こうして彼女は夕暮まで畑で落ち穂を拾った。そして拾った穂を打つと、大麦は一エパほどあった。
18 彼女はそれを携えて町にはいり、しゅうとめにその拾ったものを見せ、かつ食べ飽きて、残して持ちかえったものを取り出して与えた。
19 しゅうとめは彼女に言った、「あなたは、きょう、どこで穂を拾いましたか。どこで働きましたか。あなたをそのように顧みてくださったかたに、どうか祝福があるように」。そこで彼女は自分がだれの所で働いたかを、しゅうとめに告げて、「わたしが、きょう働いたのはボアズという名の人の所です」と言った。
20 ナオミは嫁に言った、「生きている者をも、死んだ者をも、顧みて、いつくしみを賜わる主が、どうぞその人を祝福されますように」。ナオミはまた彼女に言った、「その人はわたしたちの縁者で、最も近い親戚のひとりです」。
21 モアブの女ルツは言った、「その人はまたわたしに『あなたはわたしのところの刈入れが全部終るまで、わたしのしもべたちのそばについていなさい』と言いました」。
22 ナオミは嫁ルツに言った、「娘よ、その人のところで働く女たちと一緒に出かけるのはけっこうです。そうすればほかの畑で人にいじめられるのを免れるでしょう」。
23 それで彼女はボアズのところで働く女たちのそばについていて穂を拾い、大麦刈と小麦刈の終るまでそうした。こうして彼女はしゅうとめと一緒に暮した。

使徒の働き27
1 さて、わたしたちが、舟でイタリヤに行くことが決まった時、パウロとそのほか数人の囚人とは、近衛隊の百卒長ユリアスに託された。
2 そしてわたしたちは、アジヤ沿岸の各所に寄港することになっているアドラミテオの舟に乗り込んで、出帆した。テサロニケのマケドニヤ人アリスタルコも同行した。
3 次の日、シドンに入港したが、ユリアスは、パウロを親切に取り扱い、友人をおとずれてかんたいを受けることを、許した。
4 それからわたしたちは、ここから船出したが、逆風にあったので、クプロの島かげを航行し、
5 キリキヤとパンフリヤの沖を過ぎて、ルキヤのミラに入港した。
6 そこに、イタリヤ行きのアレキサンドリヤの舟があったので、百卒長は、わたしたちをその舟に乗り込ませた。
7 幾日ものあいだ、舟の進みがおそくて、わたしたちは、かろうじてクニドの沖合にきたが、風がわたしたちの行く手をはばむので、サルモネの沖、クレテの島かげを航行し、
8 その岸に沿って進み、かろうじて「良き港」と呼ばれる所に着いた。その近くにラサヤの町があった。
9 長い時が経過し、断食期も過ぎてしまい、すでに航海が危険な季節になったので、パウロは人々に警告して言った、
10 「皆さん、わたしの見るところでは、この航海では、積荷や船体ばかりでなく、われわれの生命にも、危害と大きな損失が及ぶであろう」。
11 しかし百卒長は、パウロの意見よりも、船長や船主の方を信頼した。
12 なお、この港は冬を過ごすのに適しないので、大多数の者は、ここから出て、できればなんとかして、南西と北西とに面しているクレテのピニクス港に行って、そこで冬を過ごしたいと主張した。
13 時に、南風が静かに吹いてきたので、彼らは、この時とばかりにいかりを上げて、クレテの岸に沿って航行した。
14 すると間もなく、ユーラクロンと呼ばれる暴風が、島から吹きおろしてきた。
15 そのために、舟が流されて風に逆らうことができないので、わたしたちは吹き流されるままに任せた。
16 それから、クラウダという小島の陰に、はいり込んだので、わたしたちは、やっとのことで小舟を処置することができ、
17 それを舟に引き上げてから、綱で船体を巻きつけた。また、スルテスの洲に乗り上げるのを恐れ、帆をおろして流れるままにした。
18 わたしたちは、暴風にひどく悩まされつづけたので、次の日に、人々は積荷を捨てはじめ、
19 三日目には、船具までも、てずから投げすてた。
20 幾日ものあいだ、太陽も星も見えず、暴風は激しく吹きすさぶので、わたしたちの助かる最後の望みもなくなった。
21 みんなの者は、長いあいだ食事もしないでいたが、その時、パウロが彼らの中に立って言った、「皆さん、あなたがたが、わたしの忠告を聞きいれて、クレテから出なかったら、このような危害や損失を被らなくてすんだはずであった。
22 だが、この際、お勧めする。元気を出しなさい。舟が失われるだけで、あなたがたの中で生命を失うものは、ひとりもいないであろう。
23 昨夜、わたしが仕え、また拝んでいる神からの御使が、わたしのそばに立って言った、
24 『パウロよ、恐れるな。あなたは必ずカイザルの前に立たなければならない。たしかに神は、あなたと同船の者を、ことごとくあなたに賜わっている』。
25 だから、皆さん、元気を出しなさい。万事はわたしに告げられたとおりに成って行くと、わたしは、神かけて信じている。
26 われわれは、どこかの島に打ちあげられるに相違ない」。
27 わたしたちがアドリヤ海に漂ってから十四日目の夜になった時、真夜中ごろ、水夫らはどこかの陸地に近づいたように感じた。
28 そこで、水の深さを測ってみたところ、二十ひろであることがわかった。それから少し進んで、もう一度測ってみたら、十五ひろであった。
29 わたしたちが、万一暗礁に乗り上げては大変だと、人々は気づかって、ともから四つのいかりを投げおろし、夜の明けるのを待ちわびていた。
30 その時、水夫らが舟から逃げ出そうと思って、へさきからいかりを投げおろすと見せかけ、小舟を海におろしていたので、
31 パウロは、百卒長や兵卒たちに言った、「あの人たちが、舟に残っていなければ、あなたがたは助からない」。
32 そこで兵卒たちは、小舟の綱を断ち切って、その流れて行くままに任せた。
33 夜が明けかけたころ、パウロは一同の者に、食事をするように勧めて言った、「あなたがたが食事もせずに、見張りを続けてから、何も食べないで、きょうが十四日目に当る。
34 だから、いま食事を取ることをお勧めする。それが、あなたがたを救うことになるのだから。たしかに髪の毛ひとすじでも、あなたがたの頭から失われることはないであろう」。
35 彼はこう言って、パンを取り、みんなの前で神に感謝し、それをさいて食べはじめた。
36 そこで、みんなの者も元気づいて食事をした。
37 舟にいたわたしたちは、合わせて二百七十六人であった。
38 みんなの者は、じゅうぶんに食事をした後、穀物を海に投げすてて舟を軽くした。
39 夜が明けて、どこの土地かよくわからなかったが、砂浜のある入江が見えたので、できれば、それに舟を乗り入れようということになった。
40 そこで、いかりを切り離して海に捨て、同時にかじの綱をゆるめ、風に前の帆をあげて、砂浜にむかって進んだ。
41 ところが、潮流の流れ合う所に突き進んだため、舟を浅瀬に乗りあげてしまって、へさきがめり込んで動かなくなり、ともの方は激浪のためにこわされた。
42 兵卒たちは、囚人らが泳いで逃げるおそれがあるので、殺してしまおうと図ったが、
43 百卒長は、パウロを救いたいと思うところから、その意図をしりぞけ、泳げる者はまず海に飛び込んで陸に行き、
44 その他の者は、板や舟の破片に乗って行くように命じた。こうして、全部の者が上陸して救われたのであった。

エレミヤ書37
1 ヨシヤの子ゼデキヤはエホヤキムの子コニヤに代って王となった。バビロンの王ネブカデレザルが彼をユダの地の王としたのである。
2 彼もその家来たちも、その地の人々も、主が預言者エレミヤによって語られた言葉に聞き従わなかった。
3 ゼデキヤ王はセレミヤの子ユカルと、マアセヤの子祭司ゼパニヤを預言者エレミヤにつかわして、「われわれのために、われわれの神、主に祈ってください」と言わせた。
4 エレミヤは民の中に出入りしていた。まだ獄屋に入れられなかったからである。
5 パロの軍勢がエジプトから出て来たので、エルサレムを攻め囲んでいたカルデヤびとはその情報を聞いてエルサレムを退いた。
6 その時、主の言葉は預言者エレミヤに臨んだ、
7 「イスラエルの神、主はこう言われる、あなたがたをつかわしてわたしに求めたユダの王にこう言いなさい、『あなたがたを救うために出てきたパロの軍勢はその国エジプトに帰ろうとしている。
8 カルデヤびとが再び来てこの町を攻めて戦い、これを取って火で焼き滅ぼす。
9 主はこう言われる、あなたがたは、「カルデヤびとはきっとわれわれを離れ去る」といって自分を欺いてはならない。彼らは去ることはない。
10 たといあなたがたが自分を攻めて戦うカルデヤびとの全軍を撃ち破って、その天幕のうちに負傷者のみを残しても、彼らは立ち上がって火でこの町を焼き滅ぼす』」。
11 さてカルデヤびとの軍勢がパロの軍勢の来るのを聞いてエルサレムを退いたとき、
12 エレミヤは、ベニヤミンの地で民のうちに自分の分け前を受け取るため、エルサレムを立ってその地へ行こうと、
13 ベニヤミンの門に着いたとき、そこにハナニヤの子セレミヤの子でイリヤという名の番兵がいて、預言者エレミヤを捕え、「あなたはカルデヤびとの側に脱走しようとしている」と言った。
14 エレミヤは言った、「それはまちがいだ。わたしはカルデヤびとの側に脱走しようとしていない」。しかしイリヤは聞かず、エレミヤを捕えて、つかさたちのもとへ引いて行った。
15 つかさたちは怒って、エレミヤを打ちたたき、書記ヨナタンの家の獄屋にいれた。この家が獄屋になっていたからである。
16 エレミヤが地下の獄屋にはいって、そこに多くの日を送ってのち、
17 ゼデキヤ王は人をつかわし、彼を連れてこさせた。王は自分の家でひそかに彼に尋ねて言った、「主から何かお言葉があったか」。エレミヤはあったと答えた。そして言った、「あなたはバビロンの王の手に引き渡されます」。
18 エレミヤはまたゼデキヤ王に言った、「わたしが獄屋にいれられたのは、あなたに、またはあなたの家来に、あるいはこの民に、どのような罪を犯したからなのですか。
19 あなたがたに預言して、『バビロンの王はあなたがたをも、この地をも攻めにこない』と言っていたあなたがたの預言者は今どこにいるのですか。
20 王なるわが君よ、どうぞ今お聞きください。わたしの願いをお聞きとどけください。わたしを書記ヨナタンの家へ帰らせないでください。そうでないと、わたしはそこで殺されるでしょう」。
21 そこでゼデキヤ王は命を下し、エレミヤを監視の庭に入れさせ、かつ、パンを造る者の町から毎日パン一個を彼に与えさせた。これは町にパンがなくなるまで続いた。こうしてエレミヤは監視の庭にいた。
詩篇10
1 主よ、なにゆえ遠く離れて立たれるのですか。なにゆえ悩みの時に身を隠されるのですか。
2 悪しき者は高ぶって貧しい者を激しく責めます。どうぞ彼らがその企てたはかりごとにみずから捕えられますように。
3 悪しき者は自分の心の願いを誇り、むさぼる者は主をのろい、かつ捨てる。
4 悪しき者は誇り顔をして、神を求めない。その思いに、すべて「神はない」という。
5 彼の道は常に栄え、あなたのさばきは彼を離れて高く、彼はそのすべてのあだを口先で吹く。
6 彼は心の内に言う、「わたしは動かされることはなく、世々わざわいにあうことがない」と。
7 その口はのろいと、欺きと、しえたげとに満ち、その舌の下には害毒と不正とがある。
8 彼は村里の隠れ場におり、忍びやかな所で罪のない者を殺す。その目は寄るべなき者をうかがい、
9 隠れ場にひそむししのように、ひそかに待ち伏せする。彼は貧しい者を捕えようと待ち伏せし、貧しい者を網にひきいれて捕える。
10 寄るべなき者は彼の力によって打ちくじかれ、衰え、倒れる。
11 彼は心のうちに言う、「神は忘れた、神はその顔を隠した、神は絶えて見ることはなかろう」と。
12 主よ、立ちあがってください。神よ、み手をあげてください。苦しむ者を忘れないでください。
13 なにゆえ、悪しき者は神を侮り、心のうちに「あなたはとがめることをしない」と言うのですか。
14 あなたはみそなわし、悩みと苦しみとを見て、それをみ手に取られます。寄るべなき者はあなたに身をゆだねるのです。あなたはいつもみなしごを助けられました。
15 悪しき者と悪を行う者の腕を折り、その悪を一つも残さないまでに探り出してください。
16 主はとこしえに王でいらせられる。もろもろの国民は滅びて主の国から跡を断つでしょう。
17 主よ、あなたは柔和な者の願いを聞き、その心を強くし、耳を傾けて、
18 みなしごと、しえたげられる者とのためにさばきを行われます。地に属する人は再び人を脅かすことはないでしょう。

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